GUIDE
複数マイクとハウリングの対策|ワイヤレスと+48Vの注意も
ハウリングは、スピーカーの音をマイクが拾い、それが再び増幅されて起きる「音の輪」です。マイクの位置、同時に開ける本数、ゲインの順に見直すと、多くの場合は抑えられます。
この記事でわかること
- ハウリングが起きる仕組みと、マイクが増えると起きやすくなる理由
- 位置・本数・ゲインで輪を弱くする基本
- ワイヤレスマイクと+48V(ファンタム電源)の注意点
結論使わないマイクは閉じ、マイクの前にスピーカーを置かず、ゲインを必要以上に上げないことが基本です。+48Vは、必要なマイクにだけ使います。
ハウリングが起きる仕組み
マイクが拾った声は、ミキサーとアンプを通ってスピーカーから出ます。その音が再びマイクに入ると、また増幅されてスピーカーから出ます。この輪が繰り返されるうちに、特定の高さの音だけがどんどん大きくなり、「キーン」という音になります。これがハウリングです。
輪を一周するたびに音が大きくなる状態になると、ハウリングが起きます。つまり、輪を弱くすれば抑えられます。
起きにくくする基本
- スピーカーはマイクより客席側に置き、マイクがスピーカーの正面に向かないようにします。
- マイクを口元に近づけます。近いほど、小さなゲインで十分な音量が取れます。
- ゲインを必要以上に上げません。音量が足りないときは、フェーダーやマスターより先に、マイクの距離を見直します。
- 使わないマイクのチャンネルは、フェーダーを下げるかミュート(消音)にします。
- それでも鳴るときに、イコライザーやハウリング抑制機能を使います。使い方は機種により異なります。
複数マイクで気をつけること
同時に開いているマイクが増えるほど、輪の数が増え、ハウリングしやすくなります。全チャンネルを開けっぱなしにせず、いま話している人のマイクだけを開けておくのが基本です。誰がいつ話すか、事前に進行を確認しておくと、開け閉めの手間が減ります。
マイク同士が近くにあると、同じ声を複数のマイクが拾い、音がこもったり、輪が強まったりすることがあります。マイクはできるだけ離して置きます。
ワイヤレスマイクの注意
- 電池の残量を、使う前に確認します。電池が弱いと、音が途切れたりノイズが出たりします。予備の電池も用意します。
- 受信機のアンテナは、遮るものが少なく、使う場所から見通せる位置に置きます。
- 複数本を同時に使うときは、チャンネル(周波数)が重ならないように設定します。設定方法は機種により異なります。
- 本番前に、実際に使う範囲を歩いて、音が途切れる場所がないかを確かめます。
- ワイヤレスマイクは、国内で使える周波数が決められています。国内向けの製品を、取扱説明書の範囲で使います。
持ち歩いて話す人がスピーカーの前を通ると、ハウリングが起きやすくなります。歩く経路も、事前に決めておくと安心です。
+48V(ファンタム電源)の注意
ファンタム電源は、ミキサーからマイクケーブルを通して、マイクに電気を送る機能です。一般に「+48V」と表示されます。コンデンサーマイクは内部の回路を動かすために必要で、入れないと音が出ません。ダイナミックマイクは、電気がなくても動くため、通常は必要ありません。
注意
- +48Vを入れる、切るときは、先にスピーカーの音量(メインの音量)を下げます。大きなノイズが出ることがあります。
- +48Vが入っている間は、マイクの抜き差しをしません。
- リボンマイクなど、機種によっては+48Vで壊れるものがあります。使うマイクの取扱説明書を確認します。
- ワイヤレス受信機やDIなど、他の機器をつなぐ入力では、必要がなければ+48VをOFFにします。
要確認
+48Vのスイッチがチャンネルごとか、全体で一括かは、機種により異なります。取扱説明書で確認してください。
起きてしまったときは
ハウリングが起きたら、慌てずに、鳴っているマイクのフェーダーを下げます。次に、マイクの向きと位置を変え、使っていないマイクを閉じます。その後で、ゲインやメインの音量を見直します。順番に1つずつ変えると、原因がわかります。
出典・参考
- ファンタム電源とは(Elgato)(コンデンサーマイクに必要・ダイナミックには不要・リボンマイクの注意・切り替え前に音量を下げる点を確認。確認日 2026-10-07)